もう公開から時間経って、見た人も増えてきただろうから、そろそろ。
という事で「シン・ウルトラマン」なんですが、
この映画、オリジナルのウルトラマンに対するオマージュが
いっぱい入ってて、そこはまあやっぱり流石なんですが、
でもそうしたオマージュとか「分かってる人」に向けたネタは、
実は本作を見るにあたって、逆に「ノイズ」になってしまってると思うんですよね。
ハッキリ言って、ウルトラマンとか見たことない、ほとんど知らない、
っていう人が見た方が、実にすんなり楽しめると思います。
さきほど「過去作のオマージュ」とは書きましたけど、
もちろんオマージュしてる部分もあるんですが、
実はオマージュ「してない部分」があって、
そこが結構なポイントなのかなと。
例えば、真っ先に上がるのはカラータイマーの存在ですが、
でも本作でカラータイマーのネタはそこまで深堀りされるわけでも無いし、
「カラータイマーをどこかで出すのかな?」とか
思ってしまうと、逆に肩透かしをくらってしまうという。
マニアになるほど、そういう罠にかかってしまう構造なんですよね。
他にもアレをやってるのにコレをやってないとか、
コレが出てるのになんでアレが出てないんだ、みたいなのが
いっぱいあります。でもそうした「出さなかった物」「やらなかった事」には
おそらくちゃんと事情とか考えがあっての事だと思うし、
無かったからといって、つまらなくなってるわけじゃない。
むしろちゃんと面白くなってるわけです。
なんというか、制作側の「取捨選択」が非常に上手いです。
そういう意味で最初にも書きましたけど、ウルトラマンを見た事無い、
という人にほど、見てほしい作品になってます。
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