アマプラで配信されていたので「飛べ!孫悟空」を見ていました。
ザ・ドリフターズの面々にそっくりな人形を使った人形劇で、
西遊記をベースにした話です。
子供の時に見ていたのを思い出します。
メンバーはそれぞれ
いかりや長介=三蔵法師
志村けん=孫悟空
仲本工事=沙悟浄
高木ブー=猪八戒
加藤茶=ハゲオヤジ
といった具合。
見てのとおり、志村けんが孫悟空なんですが、
でもこの番組がスタートした1977年頃の志村けんって、
まだ「東村山音頭」がブレイクした直後ではあったものの、
立場としては当然一番下っ端という、
後の志村けんを考えると、ちょっと信じられないような
微妙な時期だったはずなんですよね。
先述の「東村山音頭」だって、確かにブレイクしたけれど、
じゃあその次にまた何かヒットを出せるのか?というと、
かなり怪しい感じだったとは思います。
そういう時期に志村を悟空役にする、って実は今考えるよりも、
大英断だったと思うんですよね。
実際に本当は加藤が悟空をやるはずだった、みたいな話も
ちらほらと聞こえてきていますし。
そしてそれを裏付けるかのような話なんですが、
OPのクレジットの順番が結構面白い。
まず最初の三蔵役のいかりやが出るのは当然だけど、
次が悟空役の志村じゃなくて沙悟浄役の仲本。
そして志村になって、次が八戒の高木、
最後が加藤で、オマケに馬のすわ親治、という並び。
普通考えると三蔵の次は悟空役を持ってくると思うんだけど、
そうじゃないんですよね。
あくまでも志村は「悟空だけど下っ端なんだぞ」って空気を感じてしまいます。
この人形劇スゴイのは、毎回かなりの量の人形を新しく作って、
更に舞台セットまで作り上げてるというところ。
こういう人形劇の人形とかセットって、作るのかなり大変だと
思うんだけど、それを毎週毎週作り上げてくるのは、
本当に大変だったと思います。
撮影はおそらく先にセリフを録って、それに合わせて後から芝居をつける
という形だったと思うんですが、それでもかなりの労力だったんじゃないかな。
人形だけじゃなく、ビデオ合成とか色んな手法もつかっていて、
映像的にもかなり見応えがあります。
一度全編屋外ロケで人形劇をやってる話とかありますからね。
またもうひとつの見所としては、やはりピンクレディでしょうか。
あの頃のピンクレディは、とにかくとんでもない大人気で、
それが毎週出てきて歌を唄う、というだけで、視聴率はかなり
増えたのでは無いでしょうか。
考えてみるとこの番組は、ピンクレディの歌謡ショーの合間に、
ドリフの人形劇があるとも取れるわけで、
相乗効果はかなりの物だったと思います。
ストーリーは、実は原点の西遊記には結構忠実にやっていたのも驚き。
「天竺に何をもらいに行くか」は語られていなかったけど、
それ以外にはちゃんと西遊記ネタを消化しています。
同時期に堺正章版の「西遊記」とか「スタージンガー」とか
あった事を考えると、なにか西遊記ブームみたいなのがあった頃
なのかもしれませんね。
これを機会に原点の「西遊記」を読みたいなあ。
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