3D吹き替え版見てきた。以下は、ネタバレありありの感想。
バカだよ!バカが作ったバカ映画だよ、これ!
そもそもあんな数の風船で、家が飛ぶのか?
という疑問があるし(パンフレットには計算した、と書かれてるけど)、
目的地に到着するのが、やたらとあっさりしすぎてるし、
家を引きずりながら歩くとかあり得ないし、
そもそもあの辺り空気薄いんじゃね?って話だし、
装置のおかげとは言え、なんで犬がしゃべるんだ、って感じだし、
カールじいさんよりずっと年上のマンツが
生きてるわけねーじゃん、だし、
クライマックスの空中戦とか絶対あり得ないよこれ!
てな映画だけど、それはもう要するに
そんな所に突っ込んじゃいけない映画なのだ(笑)。
そもそも風船で家を飛ばすシーンで、
「これはもうこういう映画なんですよ!
その辺割り切って見てくださいね!」
と高らかに宣言してるも同じ事なのだ。
だからリアリティがどーのこーの言うのは、
これはもう野暮ってものなのだ。
作り手としては要するに、元気な爺さんが空飛んで
大活躍する映画を作りたい!なのかも知れない。
ぶっちゃけエリーとの思い出のシーンは、
そんな爺さんの活躍を描くための、
そして観客にそうとは悟らせないための、
カモフラージュなのかも知れない。
とにかくいい年した爺さん同士の、
熱いバトルを楽しめばいい!映画なんだ!
…とまあこれじゃああんまりにもアレなんで、
多少真面目な考察というか、深読みというか。
登場するキャラクターは皆、誰かとの「約束」に縛られている。
カールじいさんは、亡き妻エリーとの約束。
ラッセル少年は、父親との約束。
冒険家のマンツは、大衆との約束。
そして劇中でのカールじいさんの約束は、一旦は達成され、
それ以降はラッセルとの約束、つまりケヴィンを守る、
という約束がじいさんの行動原理となるわけだ。
また子供だったじいさんが、子供のおかげで
ようやく大人になる事が出来た、とも取れる。
じいさん夫婦に子供がいなかった、というのは
結構重要なのかも知れない。
しかし更に深読みしていくと…
そもそもこれ英語原題は「UP」という、非常にシンプルな
単語になっていて、そこにはやっぱり色んな意味が
込められているわけだ。そして老人が飛んでいくというのは…
つまりこれ、カールじいさんは死んでしまい、
天国へと旅立った、という裏の意味が隠されてるんじゃなかろーか。
そう考えると、行き先は「パラダイス」の滝だし、
そこにはいるはずの無い鳥、ケヴィンがいるし、
じいさんよりもずっと年上のマンツもいる。
つまりマンツもとっくの昔に死んで、あの世の住人となって、
カールじいさん達と出会ったって事なんじゃなかろうか。
そういえばマンツの周りには「骨」とか「化石」とか、
死の臭いがする物が多いし、マンツが出した食事を、
犬以外誰も食べなかったのは、既に死んでいるからなのでは?
ラストでマンツの生死がハッキリしてないが、
マンツは既に死んでいるわけだから、
そこはもう語る必要が無いという事なのだろう。
パラダイスの滝に到着して人生の目的を達成した
じいさんが、ラッセルとの新しい約束に再び人生を
見出して、この世に蘇ったと見る事も出来るし、
そう考えた方が、ハッピーエンドになるんだよな。
でもラストで、ラッセルの父親が
結局出てこなかった、という事を考えると、
もしかしてラッセルも父親と死別、つまりラッセルも
死の世界の住人なのでは?という非常に嫌~な考察も出来てしまう。
物語の作り方として、旅立ったじいさんは最後にやっぱり
同じ場所に戻ってこないといけないと思うんだが、
最後じいさんがいたのは、まるで別の場所
(と思われる。ビルとか無かったし)。
そう考えると、やっぱりじいさんもラッセルも
既にこの世の住人では無くなっているんじゃないかなー。
更に深く考えると、冒頭で死んだのは実はエリーでは無くて
じいさんの方だった、と考える事も出来るんだけど、
さすがにそこまで行くと、訳わかんなくなるので、
この辺で止めておこう。
最後に、自分は3D版を見たけど、3D版と2D版の
どちらを見た方がいいのか?という問いには、
「まあどっちでもいいんじゃない?」と答えておく。
でも字幕と吹き替えのどっちを見たらいい?
という質問に対しては、「絶対吹き替え版の方がいい!」と言っておく。
だって飯塚昭三と大木民夫が、ガチでバトルするんだよ?
今時そんなアニメ、なかなか見れんですよ!!
PR
コメント