自分が「WALL-E」見た時に思ったのが
「藤子Fっぽい作風だな…」って事。
ところでこのコミックを描いたのは、藤子賞佳作受賞者であり、
かつディープな藤子マニアであるらしい。
そういう方に「WALL-E」のコミカライズを任せる、
というのはある意味ベストな人選なのかも知れない。
内容としては、よくもまああのストーリーを
90ページ弱にまとめたな!という部分に驚かされる。
もちろんカットされてしまってるシーンも多々あるけれど、
基本的なストーリーは押さえてあるのが嬉しいところ。
前半の地球編はかなり丹念にゆっくりとしたテンポで描かれているけれど、
後半宇宙へ飛び出してからは、テンポアップ。
これは元の映画もそうだったわけなのだけれども、
その分カットシーンが多いのがちょっと残念。
モーとか船長の活躍や、オートの悪巧みっぷりが
微妙に少なくなってしまってるのが残念。
更に残念なのは、クライマックスで暴走ロボット達が
ウォーリーとイヴを助けるシーンが丸々カットされてる所だけれども、
全体のテンポとバランスを考えると、しょうがないか~、なのです。
でもしかし、ウォーリーとイヴのいちゃいちゃっぷりは、
宇宙へ飛び出してっからも、余す所無く描かれていて一安心(何がだよ)。
本作はもともと小学館の学年誌のために描かれた、
いわば純粋な「児童マンガ」。
そのためか、前半のセリフがほとんど無い部分はもとより、
ほぼ全般に渡ってナレーションがかぶされている。
これにより、本来見る側の想像で補うべき部分にも
「回答」が示されてしまう事となっており
(例えばイヴとウォーリーの間に走る電流は明確に「キス」とされてしまってる)、
この辺は賛否分かれる所だと思うけれど、「児童マンガ」という事を
考えると、この方式で正解なのだ、と思う。
またそのナレーションも、親が子供に語りかけるような、
優しい口調なのも、この作品「らしい」ですよね。
ところでこのマンガだと、イヴは「指令」と言ってるけど、
吹き替えだと「命令」になってたんだよなー。
字幕版も見に行こうかな。
まあとにかく、なかなか良質なコミカライズでした。
映画見た人も、まだ見てない人も、是非読みましょう。
コメント
1. 無題
コミック版「WALL-E」の作者についてですが、この方は実際にドラえもん関連の仕事を多くこなされていました。でも近年は、ディズニー系や
「パワーパフガールズ」などの海外ものの仕事が多いようです。
今回の「WALL-E」はその海外ものでの実績を買われたからだろうとも思います。
2. 無題
更に言えば、実はコミックスを出されるのが
これが始めてらしいんですよね。
そういった意味では「幻」の漫画家さんなのかも。
いや、実はお会いした事あるんですけどね(苦笑)。