"TOONGUIDE"カテゴリーの記事一覧
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昨年末の冬コミに出しました「TOONGUIDE7」の通販がスタートいたしました。
こちらのページからどうぞ。
巻頭記事は大川透さんインタビュー。
「ホーム・ムービーズ」や「トランスフォーマー・アニメイテッド」をはじめ、
「ファイアボール」や「スタートレック/ディープ・スペース・ナイン」についても聞いてきたぞ。
他には
高森圭「ベン10論・少年とメタモルフォーゼス」
けぺる「「ファイアボール」とはなんぞや? および本作を支えるゲデヒトニスの魅力」
スカポン太「hubと玩具系カートゥーン」
などなど。
自分は、例によって「トランスフォーマーアニメイテッド」の
幻のシーズン4についてとか、「Sym-bionic Titan」について
書いたりしております。
是非是非よろしくお願いいたします~。PR -
というわけで冬コミで出します、TOONGUIDE7のお知らせ。
恒例のインタビュー記事は、
あの「トランスフォーマー・アニメイテッド」のラチェット、
「ホーム・ムービーズ」のマグワイヤーコーチ、
「トランスフォーマー・マイクロン伝説」のコンボイ、
そして「スター・トレック ディープ・スペース・ナイン」の
ガラック役の大川透さんです。海外アニメ本なので
「鋼の錬金術師」や「ひぐらしのなく頃に」とかの事はほとんど聞いてません(笑)。
他に高森圭さんのベン10論、けぺるさんの「ファイヤボール」考察と、
それぞれ趣味全開で突っ走った内容になっております。
自分は今回「トランスフォーマーアニメイテッド」の幻のシーズン4とか、
「Sym-bionic Titan」などについて書いております。
12月29日(水)の東4ホール F-54a「ケペル倶楽部」
もしくは31日(金)の東2ホール P-23b「WARMACHINE」にてどうぞ! -
前回からの続き。これで最後です。
今回は「TOONGUIDE3」に掲載されてる、宮本浩さん
インタビューから色々と抜粋したいと思います。
宮本さんは、カートゥーンネットワークの立ち上げに関わって、
「デクスターズラボ」や「パワーパフガールズ」
「おくびょうなカーレッジくん」「KNDハチャメチャ大作戦」など、
初期のCN作品(主に「ティーンタイタンズ」以前)の吹き替えに
多く関わっていらっしゃった方です。
「デクスターズラボ」は、CN初のオリジナル作品だったわけですが、
開局のドタバタと相まって、色々と大変だったようです。
実際に第51話のオペラエピソードが、初回では放送されずに、
数年経ってから初めて録音されて放送された、などの混乱もあったとのこと。
その中で今回紹介するのは、デクスターの「訛り」の設定。
実はデクスターは、原語では「ロシア訛り」という設定だったのです。
しかし当然ながら、その設定は吹き替えではスルーされました。
何故スルーしたのか?という問いに対して宮本さんは…
というか日本人でロシア訛りって表現出来る人がいる?(笑)ロシア訛りって難しいでしょう。中国訛りだったらねぇ、まだイメージがつかめるし、ちょっとフランス訛りがあります、ならまだ表現の仕方もありますけどね。デクスターはロシア訛りって設定があって、ロシア語では何を発音しないだとかっていうのを指示した紙が来たりもしたけれど、もともと日本語に無い発音だったりするんで、それを表現できるわけがない。だからオーディションの時にも、とりあえず訛りっぽくやってもらっていたんですよ。でもなんだがズーズー弁っぽくなっちゃったり、はたまた大阪弁っぽくなってしまったりね、正体の無い方言になってしまったんですよ(笑)。それは好ましくないだろうと。わざわざ訛るっていう必要性がどこにあるんだというところで、「ロシア訛りがある」って設定は、無視せざるをえなかった。というのが真相ですね。
アメリカドラマや映画などの作品の登場人物には、アイリッシュ訛りや
オランダ訛り、そして南部訛りなど、多くの「訛り」が登場します。
これらの「訛り」は、日本語で再現する事はもちろん難しいのですが、
例えば南部訛りなどは、一昔前は田舎っぺ言葉などにされていました。
昔の吹き替えとかはそういうのが多かったけども、なんていうかな、吹替えで田舎者にしてしまう事によって、そのキャラは際立つんだけれども、そのキャラがよりおかしなキャラになってしまって、「田舎者イコール頭の弱い子」というイメージを私たちは作りたくなかった。やっぱり「小さいお友達」対象の番組でもあるし、そういう中で「田舎者は頭が悪い」っていう設定をつけたくない、というのがあったんです。この辺はカートゥーンネットワークの中で、初期の頃からずっと話し合ってきたことでね。放送禁止用語についてもそうなんだけども、そういうルールがあったんです。「必然性が無い訛りは使わない」っていう事です。
現在も使われているかどうかは、定かではありません。
しかし何気なく見ていた番組に、そういうルールが定められていたという事は、
実に興味深いですし、そしてそれは「子供番組」だからこそ、
定められたルールなのです。
まとめて言うと「人を馬鹿にしない」「動物をいじめない」「人を傷つけない」っていう事。例えば、アメリカで多いのは、「歯の矯正器を付けてる子供」っていうのを茶化したり、馬鹿の象徴として使っていたりするんだけど、じゃあ日本にそういう子供がいたら、それはイジメの対象になってしまうだろうと。そういう事はやりたくない、そういう風にチャンネルを持っていきたくない、っていうのがあったんですよ。本当はそのまんまやってしまった方がより面白くなるんだけどね。
このブログを見ている方なら既にご存知かとは思いますが、
主役のカーレッジくんはピンク色の犬で、原語版では
ほとんど全く喋りません。ただ吠えているだけです。
しかし日本語吹き替え版では、カーレッジ役の声優の菅原淳一さんの
大量のアドリブによって、ダジャレやオヤジギャグなどを
喋りまくってしまっています。
では一体何故カーレッジは、このように喋るようになってしまったのでしょう?
カーレッジ自身がそんなに喋るキャラでは無いじゃないですか。本来喋らない役どころで存在はしてるんだけども、喋らないと「カーレッジ」のテーマとして存在している「愛」が伝わらない。ミュリエルに対する愛っていうものがあって、「おくびょうなカーレッジくん」というのは、裏を返せば「勇敢なカーレッジくん」っていう事になるんだけれども、その勇敢さを喋らないで表現するっていうのは難しいだろう、っていうところがあったんですよ。最初の頃からそれはもう問題提起されていたんだけれども、初期の頃はごく普通にやっていたんです。でもやっぱり味付けとして足んないなって、実はずっと思ってた。で、ある時にね、菅原さんなので、ちょっと水を向けてみたところ、『ミュリエルのためならエンヤコーラッ』ってな感じで、もうアドリブやるわやるわで(笑)。それ以来、私たちは「放し飼い」と呼んでるんだけども(笑)。
「作品のテーマを理解しやすくするため」に入れられた物だ、
という事が解ります。菅原さんの暴走は、それはまた別問題なのだけど(笑)。
しかし単純にアドリブと言っても、実はその裏には
やはり「ルール」があったのです。
ただ「カーレッジ」に関しては、アドリブでも普遍的に使えるギャグを選んだつもりだけどね。
たとえばね、パイレーツが流行った頃に「だっちゅーの」を入れたいだとかね、そういうアイデアはあったんだけれども、もう今のお子様には、既に通じないじゃないですか。そもそもカートゥーンネットワークは繰り返し放送する事が大前提の局なので、そういうのは使っても意味が無い。その時に一発だけ面白くてもダメだっていうところがわかっていたので、「カーレッジ」の中でも普遍的な言葉しか選んでないはず。
現在はまた状況が違うかも知れませんし、CN以外の吹き替え作品については、
また別問題でしょう。
一度放送されればそれで終わり、な地上派とは状況が違うと言えます。
ただその作品作りに対する真摯な姿勢は、前回紹介した
高桑慎一郎さんに通ずる物があるのでは無いでしょうか。
最後に、宮本さんの言葉で締めたいと思います。
やっぱりこういったエンタテイメント作品を作るには「愛」が必要不可欠だと思うんですよ。今まで8年近く関わってきて、もちろん楽しいだけじゃない、大変な事もあったけれど、それを乗り越えられたのはやはり作品に対する「愛」があったからこそなんですよね。実際アニメに対する愛情を持ったスタッフが多かったんです。だからこそ、私もその気持ちに応えるために、とにかく楽しいものをね、エンタテイメントを作っていこうとして、仕事の枠を越えて色々やりました。
さて今回紹介した宮本さんのインタビューが掲載されている
「TOONGUIDE3」は、現在まだ通販できるようです。
残部数少ないと思いますので、ご興味ある方はお早めに。
前回の高桑さんインタビュー掲載の「TOONGUIDE2」は、
すでに在庫が無くなっております。しかし「TOONGUIDE5」には、
高桑さんと石川進さんの対談が収録されております。
こちらもどうぞよろしくお願いいたします。
…って、宣伝かよっ! -
今更説明するまでも無い事だろうけど、最近「日本語吹き替え」について、
あれこれと考えさせられる機会が色々とありました。
そこでせっかくなので、過去にTOONGUIDEで
インタビューをした方達のお言葉を、少し引用してみたいと思います。
まずは高桑慎一郎さん。
インタビューは「TOONGUIDE2」に掲載されています。
海外アニメ好きとしては今更説明の必要は無いだろうけど、
今から40年も前に、「チキチキマシン猛レース」
「スカイキッドブラック魔王」「ドラ猫大将」「大魔王シャザーン」
「スーパースリー」「幽霊城のドボチョン一家」など、
多くの海外アニメ吹き替えを手がけられた方です。
落語家やTVタレントなど、声優で無い方を多く吹き替えに起用し、
またそれらの方々によるアドリブを多用した破天荒な吹き替えは、
時には原語のセリフを無視したものとなっています。
そしてそれらは「高桑節」として、今も多くのファンの心に残っています。
役者さんに、原語に無いセリフを喋らせることについて
ああもう当然。絵に口が映ってなけりゃ構わないじゃないか。口が映ってる時はまずいけれど、映ってない時は構わないよって言って。
アメリカ人が日本に来て見るんじゃないんだから、日本人が見るんだから日本人にウケる物を作ろうという事で。それで始まったんです。絵は変えられないんだから、じゃセリフでどんどん変えてこうよって考えで。
しかしこれらのやり方は、今ではもうなかなか出来るものでは無い、
とも言われています。理由の一つとして、
今はもう規制がうるさくってダメだよ。
テレビ制作の事情は、あまりにも違いすぎるでしょう。
そしてもう一つの理由として、
面白みが無いよね。喋りにね。ただねぇ、役者さんが舞台踏んで無いとね、ただくっちゃべってるだけじゃね、面白くない。日曜洋画劇場とか金曜ロードショーとかね、ああいうの見てたってね。だって生活感無いんだもん。生きてるセリフじゃないですよ、みんな。
あのねぇ。要するに今はっきり言ってディレクターがね、ちゃんとしたダメ出しできないんだよ。芝居知らないから。芝居知らないから。だから、落語のセリフだけ言ったって面白くないというのと同じでね。生きてないんだよね。心が無いってまで言ったら怒られるかもわかんないけど。生きてない。
口パクを合わせる事は上手くなったよ。でも、ただ合わせるだけでねいいんだったらば、横の物を縦にするだけだったらねぇ、誰でもできちゃうんだよ。少し慣れればね。セリフってのは身体使って喋るからセリフなんでね。だから、生きてる人が喋ってれば、必ずそこには力が出てくるし、弱みも出てくる。今の声優さんの演技だと、弱みも無いし力も無いし、叫びも無いもんね。
「おはようございます」って言うんだって、言い方によって全然違うはずだ。それもみんな「おはようございます」って言えばいいというだけで、「おはようございます」だけしか言わないんだ。
自分達のやってきた仕事に対する、絶対の自信と誇りがあるのです。
そうそう。だからあの頃よく言ってたのは「面白くなけりゃ面白くしようよ」って事でね。
「チキチキマシン」なんかは本当、やり終わるとみんな疲れてぐったりしてたもん。特に神山卓三なんかは「もう声が出ねぇや」って言って騒いでた。広川太一郎は大してセリフが無いんだけども、どうにかして目立とうと思ってね、一生懸命やってましたよ。みんなそうやって競い合ってやってたから、面白いものが出来たんじゃないですか。ケンケンの笑い声なんてのも、向こうのはほんのちょっとしか入ってないです。
それで、スタジオでね、三時間くらい神山卓三と一緒になってやったんですよ。こういう笑いにしよう、ああいう笑いにしよう、こうしようってね。彼もよく頑張ったんだ。
そして作品を面白くしてやろう、という熱意、
作品に取り組む厳しい姿勢が生み出した、当時のスタッフの
努力の結晶なのだという事を、忘れてはいけないのです。
吹き替えについての記事、続く…かも知れない。まあついでなので(笑)。
TOONGUIDE MOOKとして昨年末に出した、
「トランスフォーマーアニメイテッド大百科」、
眠田直さんのサイトにて、好評通販受付中です~。
ジャパニメイテッド放映中の今だからこそ!
両者を比較してみるのも、面白いですよ!多分!
…これ書いたのは、「日本放映決定」直前なので、
その辺色々アレですが、ご勘弁ください(苦笑)。
2月21日に開催されるトランスファンケットに、
眠田直さんの、WARMACHINEが参加されることになりました。
すでにコミケとか通販で買われた方もいらっしゃるかと思いますが、
なにやら「購入特典」がつくらしいです。
つーか何それ、聞いてないよー(笑)。
ファンケットにいらっしゃる方は、是非よろしくお願いします。
って、自分も何か手伝うべきなの?これ?
CARTOONSTATIONのTOONGUIDE、今回は
一つの作品を徹底的に語りつくす!というコンセプトの、
TOONGUIDEMOOK01になります。
第一回は日本放送も決まった「トランスフォーマーアニメイテッド」だー(趣味全開)。
ぶっちゃけ日本放送が決まる少し前に締め切りだったので、
その辺は残念ながら触れられませんでしたが、
それを差し引いても、現状日本唯一、かつ最強の
研究本だと自負しております(他に誰も出してないとか言うな)。
これを読んで、アニメイテッドの予習をしよう!
本文はほとんどが自分。
イラスト参加が、眠田直さん、エイジア州知事さん、若林まことさん、
坂本ハヤトさん、Dr.VELさんと、現状考えうる限り、ほぼ最強の布陣であります。
販売は、12月29日(火)の東4ホール ヤ-06a「ケペル倶楽部」
12月31日(木)の西1ホール る-25a「WARMACHINE」にて。
いずれ通販もやりますし、
トランスファンケットにも持ち込む予定ですので、そちらもご期待くだされ~。というわけで、コミケ終了いたしました。
TOONGUIDEを買っていただいた方々、本当にありがとうございました。
次巻以降の参考にしたいので、感想なども
聞かせていただけると、非常にありがたいです。
買えなかった方達は、また近々通販の告知もしますので、
そちらをお待ちくださいませ。「TOONGUIDE6」ですが、三日目の東2M-38a以外にも、
初日の東J-14bケペル倶楽部でも、発売しております。
あわせてよろしくお願いいたします~。