"読んだ本"カテゴリーの記事一覧
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「了巷説百物語」を読んでおりました。
いわゆる巷説百物語シリーズの最後、という触れ込みなので、
今まで出てきたキャラクターが総登場するのは、圧巻でしたね。
忘れかけているのもいるから、また読み返さないとな…。ただ今回は仕掛けの「外」にいる人が主人公なので、
今までのシリーズとは、若干毛色が違う感じかも。というか、ぽっと出の人が最後全部持っていっちゃう、
ってのはどうなの?(ぽっと出でも無いんだけど)
「鵼の碑」読んだ後だと、色々ニヤニヤしちゃうけど、
読んでない人は大丈夫か?と思ったり。なんだかんだ、まだこのシリーズを
続ける気があるんじゃないかなあ、京極先生。PR -
「邪魅の雫」を読んでいました。
本筋に関しては、やたら登場人物が多い割には
この本、多分当時読んだっきりじゃないかなあ。
何故かというと、正直この作品、出来がイマイチなんですよね。
肝心な情報が隠されてて、どうにも全体がうまく掴めないし、
またトリックとして「偽名」が使われてることから、
どうしても分かりづらいんですよ。そしてこの百鬼夜行のシリーズの見どころって、
まず一つが京極堂による妖怪の蘊蓄。
そしてもう一つが榎木津探偵による大暴れ、だと思うんですよ。
でも本作は、それが両方とも無いんですよね。妖怪の蘊蓄は、関口がほんのちょっと語る程度。
榎木津も、本作では一応話には絡んでくるんだけど、
目立った活躍はあまり無い、ちょっと寂しい感じなんですよね。
そこがどうしてもマイナスなんですよね。もっとも榎木津の場合なんですが、榎木津はもともと
「姑獲鳥の夏」における、トリックのミスリード役として
作られた存在だったと思うんですが、それがシリーズが続くことによって、
どんどん動かしづらくなってきてるんだと思うんですよね。
だって出てくれば事件が解決したような物だし。
この辺前作の「陰摩羅鬼の瑕」あたりから、どうやって
榎木津が活躍しないようにしてるか、って苦心してる印象はあります。それでまあ、今回読み直しても、
やっぱりその辺りの印象はあまり変わらずでしたね。
そこまでダメってわけじゃないけど、なんか物足りない感じでした。 -
正月早々に「陰摩羅鬼の瑕」を読んでいましたよ。
この本、最初読んだ当時はイマイチだなーと思ったんですよね。
だって「犯人」も割りと簡単に分かっちゃうし、
トリックも予想できちゃうし、正直どうなのかな、
って思ったんですよね。でも今改めて読むと、実はその辺は最初から全部「分かる」ように
書いてあって、その辺のギミックが読者にバレるのは、
もう想定の範囲内で書いてるんですよね。
だからむしろ重要なのは、もう一つのトリックの方なのかも。そう考えるとこの本、実は2回目3回目の方が
面白く読めるのかもしれませんね。
今回読み直したら、結構好きになりましたわ。 -
読み終わりましたよ。
いやあ今回は、最後の最後でリアルに声出してしまった。
今作は「百鬼夜行アベンジャーズ」と紹介されてたんだけど、
全くもってその通りですわ。面白かったー。ところで今作、最初発売予定が告知されてから
実に17年も出なかった、という曰くがあります。
その理由についてネット上では
「東日本大震災もしくは原発事故に関連してるんじゃないか?」
という説があったんですけど、
やっぱりそれは正しかったのかな、と思います。最初書いて出そうと準備してたら原発事故が起きて、
それでちょっと様子見ということになってしまった。
書き直しも迫られたんだけど、そうこうしてる間に
京極さん自身が色々忙しくなっちゃったので(水木全集とか)、
しばらく有耶無耶になってた、って事なんじゃないかなあ。
もっとも京極さんがそうしたネットの噂を見て、
わざとそう書いたってことも考えられるけど、
最後に出てくるあの事件に合わせたんだろうから、
その線は無いと思うんだよな。あともうひとつ気になるのが、今回登場する新キャラ「緑川」さんの事。
この人、超重要キャラだと思うし、もしシリーズが続くんなら
間違いなく関わってくる人だと思うんですよね。
実際最後緑川さんのモノローグで終わるし。
でもその割には、登場がちょっと遅い気がするんですよね。今回一番最初に出てくるのは久住だし、
更に言うと久住のノートから始まるわけだから、
本来なら久住が主役だと思うんですよ。
でもなんか途中から存在感が無くなって、
結果緑川が主役みたいになってる。
この辺、なんか妙だと思うんですよね。それでさっきも書いたとおり、この作品は以前一度完成して、
でも色々あって出せなくなったんじゃないか、
そして今回改めて書き直したんじゃないか、疑惑はあるんですよ。
もしかしたらその時に新しく足されたキャラクターが、緑川なんじゃないかなあ。
実際重要だとは思うんだけど、いてもいなくても
あまり変わらないポジションだと思うんですよね、緑川。
極端な話、緑川の役回りを敦子あたりがやってもおかしくない感じ
(その場合多少立場は変わるんだけど)。
ただ敦子は「鬼」の事件があったので、今作には関われなくなった。
そこで必要になったのでは…とか思ってしまいます。もちろんそうした違和感も、わざとやってるのかもしれないから、
断言はできないんですけどね。 -
以前読んだ「ウルトラマンの飛翔」「ウルトラQの誕生」のシリーズ。
今度はウルトラセブンと怪奇大作戦にスポットを当てています。この頃になるといわゆる「怪獣ブーム」も終わりつつあったので、
どうしても「視聴率が下がった」とか「予算が無い」とか
そういう辛い話が多くなりますね。
しかしこの段階ですでに「大人の鑑賞に堪えうる」とか
企画書に書かれている、ってのはちょっと面白いかも。
とにかく円谷プロがかなり大変な時期にあったのだけど、
その中でこの二作品がどうやって生まれてきたか、
というのはかなり興味深いところでした。唯一不満点を上げるとすれば…、
知ってる人は知ってるのだけど、この両作品にはそれぞれ
「欠番回がある」というのが共通しているのですが、
その「欠番回」について、本当に何も無いかのように
一切触れてないんですよね。本当に不自然。
しかしあくまでも「作品の成立」を追うわけだから、
サブタイトルとある程度のあらすじくらいは
掲載しても良かったんじゃないでしょうかね?
もちろん色々と制限があるのは分かりますけど、
結果としてものすごい不自然なことになってしまっています。
そこが本当に残念です。 -
SFの古典的名作。
今回初めて読んだのですが、こうして見ると
色々なエンタメ作品が影響受けてるのわかりますね。
アレとかアレとか。
そういった意味でもまさに「古典」なんでしょうね。 -
お正月で時間もあるので、古典SFの名作を読んでいました。
ところで実はかの藤子・F・不二雄先生がこの作品を読んで、
「ドラえもん」を思いついた、という逸話があります。
それをふまえていると…いやあ、本当にこれ「ドラえもん」ですわ。
もちろん全体のストーリーなどは違いますが、
構成する要素のそれぞれが、紛れもなく「ドラえもん」。
それこそ「箇条書きマジック」じゃないですけど、
列挙していけば、本当にドラえもんの素が詰まってます(列挙しないけど)。ただもともと1956年に書かれた本なので、
今読むにはちょっと古臭いところがありますが、
これはもう仕方ないことでしょう。「SF」を読みたい人には、オススメです。
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これも読んでました。
やっぱり「新しい」何かを立ち上げる時って、
本当に先例が無いだけあって、試行錯誤がすごいんですよね。
それが時には上手くいくし、逆に失敗することもある。
でもその「立ち上げ」のエネルギーっていうのは、
本当にかなりの物があると思います。
そうした「立ち上げのエネルギー」を感じられる一冊でした。 -
Twitterでフォロワーさん達が読んでたのを
ようやく読みました。「ウルトラQ」のこの手の話ってもうあらかた
語り尽くされてたんですが、この本は個人のメモとか日記とか証言とか、
とにかく可能な限り徹底的に資料にあたることで、
具体的にどういう事があったのか?という「時系列」を特に
明確にしてるのが素晴らしいと思います。
こうやってデータで見せてくれる本は、本当大好き。
非常に満足度高い一冊でした。そして「ウルトラQ」って、もう最初っから
怪獣の流用が前提条件だったのね。 -
「シン・ウルトラマン」が話題なので、ウルトラマンとか
怪獣のデザインを担当した、成田亨先生の本を読む。やっぱり成田さんって基本芸術家だから、気難しい感じはしますよね。
怪獣のデザインについても「傷みたいな痛々しい表現は良くない」と言いつつ、
でもジャミラの表面にあるひび割れは「上手くいったと思います」なんて言ったり、
完全なダブルスタンダードだよな、と思ったり。
でもやっぱりそこは芸術家だから、結局「理屈」じゃなくて
「出来たもの」が先に来るってことなんですよね。
「理屈」は完全に後付なんだと思います。
その辺が人によっては気難しく見えたりするのかもしれません。まあ今だからこそ、読むべきなのかもしれません。