"藤子不二雄"カテゴリーの記事一覧
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藤子ついでにもうひとつ。
「忍者ハットリくん」というこれまた有名な作品があります。
今更説明不要ですね。しかし近年になって
「ハットリくんは実はお面をかぶっていて誰にも素顔を見せない」
なんて話が広く出回るようになりました。
はっきり言います。これデマです。
ハットリくんはあの顔が素顔です。
お面も仮面もかぶってません。
確かに変装とかする時にはなんらかの
仮面をつけたりしますが、普段のあの顔は素顔です。
藤子不二雄A先生がハットリくんのキャラクターを作る際に
「常にポーカーフェイスで表情を出さない。能面を参考にした。」
と言ってますが、「お面である」とは一言も言ってないんですよね。
このデマが広がった原因はいくつか考えられるんですよね。
まずモノクロ実写版のハットリくんがあるんですが、
それは確かに「お面」をつけて演技をしていた。
でもそれはあくまでもマンガ的表現を実写に落とし込むための
手法であり、設定的にお面をかぶっているというわけでは無い。
次に「20世紀少年」というマンガがあって、
これにハットリくんの「お面」をつけたキャラクターが
出てくるんですよね。そして実写映画にもなっているので、
その辺りで混同された。
そしてこのデマをさも本当のことのように
深夜ラジオとかテレビで面白がって広めているタレントさんが
いる事が結構厄介なんですよねえ。
そのタレントは普段は「知識の多い」というキャラクターで
出てくることが多いんですが、そうした人がデマを言いふらすと、
本当のことなんだと思われて、かなり広がってします。
実際そのタレントさんは、他にもいくつか似たような
デマが広がった原因を作っています。
全くデブ…じゃなかったデマにも困ったもんです。
もしも「いやハットリくんはお面だ。見たことがある。」
という人は、是非ともそのシーンを見せてください。
ハットリくんが普段お面をかぶっているというシーン、絶対無いですから。断言。PR -
藤子・F・不二雄の作品で「ジャングル黒べえ」というのがあります。
もともとアニメが先にあった企画で、アニメは一時期
何度も何度も再放送されていました。
だから知名度は割とある方だと思います。
しかし主人公が「黒人」であるということが原因なのか、
ある時期から再放送がされなくなり、
コミックスも出回らなくなりました。
…と言っても、その頃からすでにアニメ番組の
再放送自体は減っていましたし、またコミックスも
「バケルくん」の巻末に収録という体裁だったので、
もともとコミックス自体の数も少なかったわけなのですが。
まあそれはともかく、そういったいきさつから
「ジャングル黒べえは封印作品である」という
認識が広くされていたのも間違いない事実です。
この辺は「封印作品の謎」などで
広く知られるようになったのも大きいでしょう。
しかしジャングル黒べえが封印作品だったのは、
もはや過去の話。実はジャングル黒べえは
2010年のF全集でマンガ全編が発売され、それを皮切りに、
DVDも発売となり、更にはサントラだって発売されているのです。
藤子作品も多くのコミックスとかDVDは出ていますが、
実はもれなくほぼ完全に収録されているものは、
結構珍しかったりします。
ドラえもんですら、全エピソードはソフト化されていませんしね。
まあとにかく、「封印作品」と呼ばれていたものが、
いつなんどき復活するかということは、誰にも分からないということです。
この記事をきっかけに「ジャングル黒べえ=封印」という認識が
少しでも改まってくれれば幸いです。
…ついでなんだけれど、現在Wikipediaのジャングル黒べえページに
ガック声 - 堀絢子→山本嘉子って書かれてるけど、これ「間違い」です。
堀絢子さんはガックやってません。最初から最後まで山本嘉子さんですわ。
この間違い、実は相当以前に出たとある本が間違っていて、
それを間違ったまま引用しているという事だと思われるんですよね。
でもDVDで検証すれば、堀さんがガックやってないのは一目瞭然ですわ。
誰か直しておいて!
2021.03.02追記
上記の「ガック=堀絢子」についての記述が、
どうやらWikipediaから削除されたようです。
なんでも言ってみるもんだね~。
良かった良かった。 -
藤子不二雄Aデジタルセレクションってのがあるんですよね。
ようするに電子書籍版。
ただ内容としては以前出たFFAランドとほぼ同じ。
なのでまあ持っていない分をいくつか買ってはいたんですよ。
それでこれ上の公式サイトには書かれてないんだけど、
「デジタル複製原画」ってのがついてるんですよね。
「デジタル」で「原画」ってのがまあ意味わからないんですよ。
実際ただ原稿の指示の部分が残ってるくらいで、
鉛筆線の掠れとか修正部分とかもわからない。
まああまり価値は無いな、と思っていました。
それで今日になって気づいたことがあります。
大体こういう単行本に収録されてる作品って、
雑誌掲載時にはカラーであっても、基本白黒で収録されてるんですよ。
なのでそういうカラーページの復刻って、
我々マニアからすると、ものすごーくありがたい。
それでこの「デジタル複製原画」って、
そういう「カラーだったけどモノクロになってるページ」が
あったような場合、それをカラーで掲載しているんですよね。
それってものすごい売りになる部分じゃない??
マニア大喜びですよ???
ただカラー部分全部ってわけじゃなくて、
部分的だったりするみたいなので、そこはちょっと注意点。
また本によってはそもそもカラーページが無い場合もあるので、
そういう場合はこの「デジタル複製原画」部分は、
ただのモノクロページになってる。
だから当たりハズレの差がかなり激しいんですね。
まあそれでも今までモノクロでしか読めなかったのが
カラーで読める、ってのはかなりでかい部分だと思うんです。
でも怪物くん最終回の最終ページのカラーは未収録なんだよなー。
勿体ない勿体ない。
一日も早くちゃんとした全集が出てほしいものです。 -
大長編ドラの「面白さ」って実は「命がけ」と隣り合わせだから、
っていう部分が結構あって…
「恐竜」では何億年も過去に取り残されて
「宇宙開拓史」では殺人も辞さないガルタイトが相手となって
「大魔境」ではライオンやワニに食われそうになって
「鬼岩城」ではスネ夫とジャイアンは途中で実際死にかけて
「魔界」ではとうとう石にされてしまって
そういった部分が少なくなっていったのは、結局ドラえもんが
万能であるからだろうし、またどこかからの無言の圧力みたいな物が
あったんじゃなかろうか、というのは想像に難くないわけで。
そうした「命がけの冒険」からどんどん離れていった結果が、
徹底して傍観者であり続けてきた「創世日記」だし、
テーマパークでの冒険に終始した「銀河超特急」だったり
(もちろんクライマックスではさすがに命がけなのだけれども…)。
そのテーマパーク的な冒険が今回の「博物館」でも顕著であったなあと。
徹底的に管理された博物館の中での体験は、
「命がけ」の大冒険とは程遠い物なのだなあ
(もちろんクライマックスではさすがに…)。
そして今回気になるのはやはり「ひみつ道具」という物の扱い。
「ひみつ道具」ってのは未来デパートで売ってる物のはずなんだけど、
そんなのがなんで博物館におさめられているの?
なんとかメタル(名前忘れた)が使われているのが「ひみつ道具」なら
それ以外のものは「ひみつ道具」では無いの?
未来の人たちは普通に使っている道具なんだから、
それを「ひみつ道具」というのはおかしくない?
つーか「ひみつ道具職人」って何よそれ?
…などなど、とにかく後付設定がこれでもか、と出てきてしまう。
ドラとのび太の間にもちょっとした後付エピソードがついてきて、
これはまた後々「いい話」みたいに紹介されちゃうよなー、
とちょっと辟易としてしまうのもまた事実。
「ドラえもんズ」としては充分アリなんだけど、
「ドラえもん」としては、ちょっと困ってしまう。
でも何が一番困るって
今回、面白いし出来がいいんだよなー。
少なくとも声優交代後のオリジナル作品としては、
間違いなく最高の出来。テンポとか伏線の張り方とか 。
演出は相変わらず過剰だけれど、とにかく面白い出来。
だからこそ、それらの後付設定の数々に困っちゃうんだよなー。
もっとも古今東西の息の長い有名キャラクターなんて、
設定が後から後から付け足されているわけなのだから、
そこはもうしょうがないのかも知れないし、
どれだけの後付があろうとも、これだけの作品を作れるようになった、
という所を喜ぶべきなのかもしれないね。
でもですね、やっぱり複雑な心境なのですよ。
片倉陽二描くドラえもんが
「最高のひみつ道具は…ぼく自身なのです!」
と言ってるのを、リアルで見たオッサン世代としてはね…。 -
インドで制作された「忍者ハットリくん」が
日本でも放送される、という事が決定したそうです。
アニマックスにて、5月13日から放送開始だそうです。
http://narinari.com/Nd/20130220631.html
声優は…ハットリくんと獅子丸は同じだけど、
後はさすがにかわってるみたい。しょうがないかー。 -
以前もちょこっと書いたけど、インド版ハットリくんの続きの話。
実は昨日一昨日と代々木公園で行われたインドフェスティバルで、
インド版ハットリくんが上映されていたそうです。
一瞬だけ映るけど、割りといい感じかな?
少なくとも作画クオリティに関しては、心配は無用という感じでしょうか。
行った人の話では、現在6話12エピソードが制作、放映されてるとのこと。
好評であれば、当初の予定であった26話以上も作られるだろうし、
上手くいけば日本での放送もありうる…?とのこと。
日本でも放送されるといいなー。
ちなみにこれはインドのエアコンCMで使われたハットリくん。
あちらではかなりの人気っぽいですね。
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藤子アニメ、インドで制作しアジア市場開拓
テレ朝など、まず「忍者ハットリくん」
以前から藤子ファンの間では、ちょっと話題になっていたんですが、
ここで正式に情報出たみたいですなー。
どうもインドでは「ハットリくん」が大人気らしく、
それで向こうの要望に答えて新作を作る事になった…
ってのが事の発端なんじゃないかと思いますが…。
いずれにせよ、ちょっと面白いかなー、と思ったり。 -
というわけで待望の「怪物くん」のDVDが発売されました。
いやー、やっぱり懐かしいね!
自分は数ある藤子作品の中で、特に「怪物くん」が大好きなので、
思い入れもまた格別なのであります。
ライナーノートを見て驚いたのですが、怪物くんの制作ってかなり先行してたらしく、
第一話のAパートが制作されたのは、なんと26本目!だったらしいです。
どうりで当時の特集本とかで、やたらと先のエピソードの写真とかが
掲載されていたわけだ!なるほどね~。
しかし声優の野沢雅子さんはやっぱりスゴイ!です。
自分の中では野沢さんは、鬼太郎、えん魔くん、そして怪物くんと、
三大モンスターヒーローの声なんですけれど、改めて聞くと、
ちゃんと全員演じ分けていて、別の声になってるんですよね。これぞプロ!
内輪受けのギャグとかアドリブなんかよりは、こういった方向で声優さんの
実力を堪能したいものでありますなあ。
下巻の発売も楽しみであります。
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怪物くん(シンエイ版)のDVD-BOXの発売が決定しました。
…ああ、嬉しいさ。確かに嬉しいんだけれども、
F全集でとにかく資金が必要なこの時期に、
出さないでほしかったよ…。グググ。
しかし最近ドラマになったり、コミックスが出たりと、
やたらとフィーチャーされてたのは、これの伏線だったのかな~と。
怪物くんは、藤子作品の中で一番好きだから、
当然買いますけどね!ええ、買いますとも(涙)! -
Fノートが到着いたしました。
Fノートとは、藤子F全集の全巻特典で、F先生のアイデアノートの一部や
未発表の原稿などが収録されてる、マニア垂涎のご本です。
この本が届いた時の自分の顔は、「まんが道」で満賀が
夜中に一人でアメリカの雑誌をニヤケながら読んでいるのと
同じ顔だったに違いない(だから例えがマニアックすぎる)。
んで内容。
初期のアイデアノートの落書きが、すごい線が柔らかくっていいわー。
「ロケットけんちゃん」のあたりとか、最高!
あとネーム(コマ割り)も収録されてるけど、
ノート一枚を8分割して8ページ分のネームにしてる、
って細かすぎるだろ!これ逆にやりにくくない?慣れなのかなあ。
それで「パーマン」の第一話のネームも収録されてるんだけど、
さすがにここは気がつかなかったのか、修正できなかったのか、
「本物のパーにする」が残ってますよ!
しかも「脳細胞破壊銃」じゃなくって「クルパーガン」ですよ!
あと魔美のヌードの鉛筆画スケッチとか、すごいいいし、
ドラえもんの没原稿が最高でした!
「あつさとジャイアンのげんこつでぼくはパーになる」
「それいじょうパーになられちゃたまらない」
先生そんなにクルクルパーが好きだったんですか!
やっぱりこれが「バカ」でも「アホ」でもダメで、
「パー」だから面白いんだよなー。言葉のリズムというか、
子供の持つ残酷な一面をリアルに出しているというか。
というわけで、かなり満足な特典でしたよ。
全巻予約して良かった!という感じ。
しかし!
たった一つだけ、どうしても腑に落ちない部分がある。
それはこのノートの中でA先生、つまり安孫子先生の存在が
まるで「いなかったかのように」触れられていない、という事。
一箇所だけ安孫子先生の名前が出てくる箇所があるけど、
それは「新漫画党」のメンバーの一人として紹介されているだけ。
「藤子不二雄」のペンネームを決める際に使われたと思われる
ノートの一部が出てくるんだけど、そこの説明が
「”藤子不二雄”に解明する際の検討用と思われるメモ。
2人の名前から”弘素”の文字を拾い、転じて”広本”とした候補なども書かれている。」
とあるんだけど、「2人」って誰と誰ですか?
もちろん非常に今更過ぎる事なので、あえて書かなかったとも取れるけど、
普通に考えたら「藤本弘と安孫子素雄の名前から…」とすべき部分じゃないかい?
「二人で一人の藤子不二雄」という部分がすっぽり抜けているというか、
意図的に抜かされているというか、なんだかまるで
「藤子・F・不二雄」という漫画家が最初から一人で活動していたように、扱っている。
でもそれっておかしいじゃん?
A先生の描いた絵とか、一緒に映っている写真が載っていないとかは
別にいいけど、その存在すら完全に無視するのはどうかと思う。
だって少なくとも、ある一時期までは、二人で一人の「藤子不二雄」だったんだから。
「くるパー電波」の件といい、オバQがなかなか復刊されなかった件といい、
なんかこれらの問題って、どうも同じ根っこから出ているような気がするんだよね。